STAGE1
ランカウイステージレースの初日のレースは65kmのマラソンレース。最近はクロスカントリーレースを中心に走っているのでマラソンレースはとても久しぶりで、準備からいつもと勝手が違う感じだった。レースには補給食、パンクした時用の修理キットとチューブ1本そしてボトル2本を用意した。レース当日の天気は曇り。しかし、レース前日にスコールが降ったりしていたので路面コンディションはマッドが予想された。
スタート位置は、前日のTTの順位の順番で、僕は18番目3列目に並ぶことができた。
そしていつもとは違い少しゆっくりめのペースでレースがスタート。最初の数kmはアスファルトだったのでアップ代わりに足をまわす。集団の前側に位置を取り、いよいよ山の中へ。すると一気に集団のスピードが上がり、前との差が広がる。
ついて行こうと思ったが、ゴールはまだまだ先。落ち着いて自分のペースで走る。
山の中は雨の影響でドロドロ状態。とても滑る状況で、山の中に入って最初の下りで転倒してしまう。自転車と体に異常はなかったが、ボトルと補給食を1つ紛失し、再スタート。
転倒してる間に何人かに抜かれてしまったが、すぐに追いつき転倒前のときと同じ位置につく。
一定のペースで走り続け、快調に走るがアクシデントが。草の多い箇所でリアスプロケットに草が巻きついてしまい、バイクから降りて草をちぎる作業に。ここでかなりロスをしてしまったので、かなり焦りながらペースを上げて4、5人のパックで走る。
しばらく走っていると、アスファルトの高速コーナーでまたも転倒してしまう。雨で濡れた路面だったので予想以上に滑ってしまった。
その後もホイールが丸ごと浸かってしまうぐらいの泥の川を走ったり、ドロドロで重たい路面をずっと走り続けた。そしてバイクも体もボロボロの状態で43位でゴール。
いつものクロスカントリーとは違う疲労状態で2日目へ。
結果;43位
STAGE2
レース2日目は1日目よりは少し短い距離の45km。あまり長い距離じゃないと思うと少し気が楽なようにも思ったが、逆に短いということは全体のスピードが上がる。それを意識しながらスタートを待つ。体の状態は鍼治療のおかげで疲労はかなり抜けていて、良い状態だった。
1日目のレースで総合の順位を下げてしまったのでスタートは6列目ぐらいの位置だったが、スタート後にうまく集団の間を抜けて前の位置に。トレイルに入ってからもうまく走り、良い位置をキープ。
序盤からアスファルトで斜度のきつい上りが続き、トップ集団以外はそんなにバラけることなく走る。この日も路面は濡れていたので、慎重に走らないと滑って足をついてしまうような状況だった。
そうしてしばらく走り続けていると、前を走っていた選手達が引き返してくる。何事かと思ったら集団でコースミスをしていた。これはコースに設置されている看板が逆の方向を指していたからだ。
急いで引き返して、正しいコースに戻るがかなりのタイムロスをしてしまう。遅れを取り返すように集団でペースを上げて走る。するとコース中盤からとんでもない斜度の上りに入る。
最初は少しだけ乗って上る事ができたが途中からバイクを押して上らないといけないぐらいの斜度が続くようになる。ひたすら押し続け、乗車できるところは乗って行くといった感じで走るが、上っても上っても上りが終わらない。
普段から押して走る事が苦手だったからか、押している途中に足が攣ってしまう。補給食を取りながら少し立ち止まり、痛みが引いたところで再びバイクを押して上がる。
ずっと押し続けて上っていくうちにボトルの水が空になり、口がカラカラになる。それでもまだ上りは続き、精神的にとても辛い状態になってしまった。もう少しで下りに入るはずだ、と自分に言い聞かせながら上ると、しばらくしてやっと下りに入り、足を少し休める。
下りで数人抜かし、その後は平地が多かったのでペースを一定に保ち、無事にゴール。結果は38位。体はきつい状態になっているが徐々に調子が上がってきているのを感じながら3日目へ。
結果;38位
STAGE3
全身が筋肉痛のような状態で朝を迎えて、レースの準備をする。この日も雨。路面はだいたい予想ができたので、不安な気持ちはなくスタートを待つ事ができた。この日はステージレースの中で1番長い距離、81kmのレース。27kmのコースを3周回という感じでレースは行われる。
スタート位置は2日目と変わらずの位置でスタート。試走ができなかったので1周目はコースを覚えながら、そして位置を下げないように保ちながら走る。
この日もきつい上りがあり、雨のせいで押して上ることになり体力を奪われる。しかし、下りは毎日マッドコンディションで走ってきたためか、安定して下る事ができ、下りで前の選手に追いついたり、といつもとは違うレース展開で走る。
2周目はトラブルなく走る事ができたが、3周目に入ってきつい上りが終わった後に、チェーンがはまらなくなってしまうトラブルが起きてしまう。
補給ポイントで水をうけとり、泥を落とすがそれでもはまらず、シフトチェンジをしながらはめていくとロー側は全くはまらず、トップ側だけやっとはまるようになり、時間を大きくロスして再スタート。
この日はあまり調子があがらず、トラブルが直った後も順位を上げることができないままゴール。結果は32位。
この日は、本当に体もバイクもボロボロになったと感じながら宿へ戻った。
結果;32位
STAGE4
ステージレース4日目は、自分の中で1番の楽しみだったクロスカントリーレース。海外でのレースではU23でしか走った事がなかったが、今回のレースはエリートクラスの選手も一緒に走る。ただでさえU23でもハイレベルなのに、さらに上のレベルの選手達と同じレースを走れると思うと、とても楽しみだった。この日のレースは1周約4kmのコースを7周回で行われた。コースは少しだけ試走できたのでしっかり覚えてスタートを待つ。
コースはアップダウンがバランスよくあって、1箇所だけものすごくきつい斜度のアスファルトの上りがあり、下りでも斜度は急だった。
この日の天気は珍しく晴れていた。久しぶりにドライ コンディションでのレースができる、そう考えるととても気持ちが楽になった。
この日のスタート位置は5、6列目だったが、スタートからうまくいき16、7番手の位置からレースはスタート。
疲れはたまっているが、体の調子は良くて何より気持ちがのっている、そう感じながら走る。順調に走っていると2周目から急に雨が降ってくる。勢いの強い雨だったので、一気に路面が変わる。
1周目には乗れていた下りがドロドロになり、全く乗れなくなってしまう。2周目からはバイクを押して全力で走ることで前との差を詰めて、きつい上りで一気に追い抜く、という走りをした。
順調に走れていたが、しかしトップの勢いは凄まじく、ー2LAPでレースは終了。
悔しかったが、ハイレベルなレースを経験できたので良かった。この日の結果は22位。
結果;22位
STAGE5
いよいよ最後のレース。肉体的にも精神的にも辛い状態だったがこの日のレースは30分間全力で追い込まなければならない。カテゴリーがA、B、Cと分けられていて僕はカテゴリーB。Aは総合順位の1位~25位、Bは26位~・・・といった感じで分けられる。
レースは1周1kmちょっとのコースを10周。試走はできなかったがコースは平坦ばかり、1箇所砂浜が使用されていた。
スタート位置は最前列で久々に日本のレースのような感覚でレースに挑む事ができた。スタートの合図と同時に全力でペダルを踏む。クリートキャッチは少し失敗してしまったが、2番手の位置についてレースを開始する。
試走ができていなかったので1周目はコースを覚えようと2番手で走り続けるが、砂浜に入るところが思っていたより深く、前転してしまう。一瞬で8番手に下がったがすぐに2番手のまで追い上げる。
しかし、無理なペースアップをしたためか、一気に足が重たくなり徐々に順位を下げてしまう。レース中盤からはおもったようにペースを上げることができず、5番手で最終周回へ。
最終周回に入るとすぐ後ろにいた選手がぴったりと僕の後ろについてきたので、残っている力を全部使って差を開けて、なんとか5番手を守ってゴール。
結果はカテゴリーBで5位。しかし総合で考えると30位ぐらい。この日も悔しい思いをすることになったと同時に、日本ではなかなか得られない良い経験ができた。
結果;5位
総合順位;30位
今回は普段とは違うマラソンレースが多めのステージレースで不安も楽しみもたくさんありましたが、無事に走りきる事ができました。
そして、たくさんの貴重な経験ができ、今後の自分の成長に必ず繋がると思いました。5日間という長い期間、海外でレースをして気づいた事もたくさんあったので今後に繋げて行きたいと思います。
今回もサポート、応援ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。
Rank Name Team Time 1 Kohei Yamamoto SPECIALIZED RACING 10:09:21 2 Emil Lindgren Giant Pro XC Team +0:02:42 3 Maxime Marotte BH SR Suntour KMC +0:10:49
【使用機材】
フレーム: CANNONDALE F29
フォーク: CANNONDALE Lefty carbon
クランク: SRAM XX1
ディレイラー: SRAM XX1 11speed
チェーン: SRAM XX1 Chain
ホイール: ENVE XC 29er
タイヤ: MAXXIS IKON
ブレーキ MAGURA MT8
ペダル: TIME ATAC XC CARBON
サドル: FI`ZI:K TUNDRA 2
ハンドル: ENVE
ステム: Leonardi
ヘルメット: OGK Kabuto REDIMOS
シューズ: MAVIC FURY
グローブ: OGK Kabuto PRG-3
アイウェア: OGK kabuto PRIMATO PHOTOCHROMIC